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かごしま歴史街道

南さつま海道・リアス式海岸を行く


■鑑真和上上陸の地・坊津
 薩摩半島の西南端・枕崎から坊津・加世田へ続く西海岸のルート国道226号線には、雄大な自然景観や多くの文化遺産が点在しており、南さつま市は平成19年1月に「南さつま海道八景」として8つの魅力的な景勝地を選定しています。
 日本屈指の眺望として歌川広重の画題となった双剣石や、映画『007は二度死ぬ』のロケ地になったことで有名な秋目島、野間岬に沈む夕日が海を黄金色にそめゆく様子を一望できる後浜展望所など、行く先々で趣の異なる絶景を楽しむことができます。
 カツオの港枕崎を起点に西へ向かうと、かつては伊勢国安濃津、筑前国博多津とともに、日本三津の一つと謳われた坊津があります。

 52kmにも及ぶ坊津の海岸線は、のこぎりの歯のように山地が複雑に海に入り組んだ典型的なリアス式海岸で、古来より天然の良港で交易船が多く行き来し遣唐使船の寄港地として栄えていました。
 南から坊・泊・久志・秋目の各浦があり、それぞれが大字を成しており、昭和初期までは鰹節の主産地でもあったところでした。
 この坊津の最北端に位置する秋目は、唐招提寺を開いた律宗の唐の高僧・鑑真和上が上陸した地として知られ、海を望む高台には、秋目上陸を再現したスライドやジオラマ模型、中国で作成された鑑真大和上座像の複製などが展示されている上陸記念館があります。
 日本上陸の第一歩を秋目浦に印した鑑真は中国揚州の人で、諸宗の奥義を極めた当代随一の高僧で医学にも通じ、医書「鑑真上人秘法」は漢方医の聖典といわれています。弟子の渡航計画の密告や漂流、護送により日本渡海を5度も失敗し、あまりの苦難苦労により63歳の時に失明するも、6回目にしてようやく遣唐使船にて秋目に到着します。
 そして、大宰府を経て天平勝宝6年(754)奈良の都に入り、東大寺の戒壇を設け、天平宝字3年(759)に唐招提寺を創建します。鑑真は戒律のほか、産業・建築・医薬・文化の興隆に貢献します。
 天平宝字7年(763)5月6日、唐招提寺にて76歳で死去(遷座)します。鑑真の死去を惜しんだ弟子の忍基による鑑真の彫像は日本最古の肖像彫刻といわれ、現在でも「国宝唐招提寺鑑真像」として唐招提寺に伝わっています。
 日本仏教の面目を一新し、比類のない偉大な高徳であった鑑真和上坐像に対面した松尾芭蕉が詠んだ有名な句があります。

  「若葉して御目の雫ぬぐはばや」

句意:折しも初夏、辺りの木々に若葉の色がみずみずしい。
   この若葉で以って、和尚の盲いたお目の涙をそっと拭ってさしあげたい。

 もしも、鑑真の目が盲していなかったら、風光明媚な秋目の景色や秀麗な薩摩富士を望んでの感動はいかほどであったことでしょうか。夏の終わりのひととき、ゆっくり車を走らせ日本文化に大感化を成した鑑真の足跡を訪ねながら、金色の光に染まる西海岸の美しい眺めに心を癒してみませんか。

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