60万の人口を擁する都市で、市内のほとんどすべてが天然温泉であると言う事、
実は驚異であり、鹿児島市が大いに誇ってよい事の一つである。旅館もホテルも
ビジネスホテルまでもが、ほとんど温泉施設を整えている。
身近にあって入浴料が安い上に高齢者には市からの補助もある。当に温泉天国で
ある。中でも掛け流しの湯には人気も集まる。泉質によって人それぞれ好みがある
ようだが、市の中心部を少し外れた城西地区にある温泉お乃湯は遠方から通うファ
ンが多く、午前六時からの朝湯も大にぎわいである。
小野町にあるからオノ湯なのだろうが、表記は「お乃湯」と少しひねった文字づ
かいになっている。このしゃれたセンスが管理のさまざまな面にも表われている。
リニューアルして以来内風呂の規模が大きくなり天井を高くして明るさを増した
ので従来からの顧客の評判も一段と高まった。豊かな量の源泉がたれ流しであふれ
て居り、清潔感も高い。岩盤浴などさまざまな趣向も魅力に数えられている。
あちこちに観葉植物がぜいたくに配置され、周辺の静寂な雰囲気と相まって少しオ
ーバーにいえば森林浴にひたる趣きもある。心を癒やす感じの露天風呂も設置され、
町中の”お風呂屋”とは思えない。
駐車場も整備されているが、国道3号線から乗り換えて松元方面へ通う路線バス
が近くを走っているので足の便も悪くない。
入浴料は、大人360円、小学生が140円、幼児80円。貸切風呂もあって平日
の午後3時までは20%オフのサービスになっている。夜が10時までと少し早じ
まいだが、そのあと施設のすみずみまで徹底して清潔にするため時間をかけるのだ
と聞けばうなずける。
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