鹿児島西ロータリークラブ

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鬼丸殿

偉丈夫の邦〈昔は？〉鹿児島では勇猛な武将を祀る神社も多い。鬼丸殿もそのひとり。大隅の豪族禰寝氏16代右近大夫重長〈シゲタケ〉は島津と対立する勢力を誇ったが、義久の説得で和睦、かつての盟友肝付一族を滅ぼす。
重長は肝の据わった猛将として知られるが、治世にも長け、日本初の温州ミカンの栽培や対明貿易も行った。一説によると島津本城に赴いた際、その存在を恐れた反対派により鴆毒〈チンドク〉鴆という鳥の毒にて毒殺されたとされる。
荼毘にふされた遺体は煙となり、天空に鬼丸大明神の五文字を結んだことから、嫡男重張〈しげひら〉は根占に鬼丸神社を建立しその霊を慰めた。
重張はその後、文禄検地により大隅禰寝〈根占〉から日置吉利に移封、神社もこの地に移された。後に禰寝氏は平重盛の末裔を名乗り小松氏に改姓、小松氏からは、維新の十傑小松帯刀〈喜入肝付氏からの養子ではあるが〉を輩出した。
徳政を布き、領民から慕われた鬼丸ドンを祀る鬼丸神社では、毎年６月に棒踊りや虚無僧踊りが奉納され、泥田では「せっぺとべ〈精一杯跳べ〉」が賑わいをみせる。