鹿児島西ロータリークラブ

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一条殿

薩摩川内の一条神社には平安時代、新田神社に勅使として下向した一条卿というお公家さんが祀られている。
一条卿と言えば、常盤御前の３番目の旦那、義経の母であり、義朝の妻でもあった常盤御前を次の旦那、清盛入道から貰い受け笑いものになった歌舞伎の主人公を思い浮かべるが，全く別人。
新田宮の夏越祭に参詣し、神職の姫に一目惚れ。寝ては夢起きては現幻状態で、職務を忘れ、長々と滞在するうち、さすがにこれではまずいと思い立ち、薩摩川内を後にするが募る思いは断ちがたく、さりとて都への報告も気になる。
気になる思いが昂じて床に伏し、行くもならず、帰るもならず、とうとう自ら命を絶ってしまわれたとか、土地の人はこの気弱で純情な悲恋の主人公を憐れみ、一条妙見と称し、社を建てて祀った。近くには墓碑もあるらしい。