鹿児島西ロータリークラブ

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田の神さぁ

田の神は農耕の神として日本中で祀られているが石像は鹿児島と宮崎の一部、島津支配下の地域に限られている。
山の神が春に里に下って田の神となり、稲田を見守って豊作をもたらす「春秋去来の伝承」が伝わり、春と秋に田の神講〈祭り〉を行う。
大国主の国造りの神話に登場するクエビコ〈案山子〉であったり、稲霊の豊受媛であったり、出産、農産を司る「産ひの神」ということから陰陽神とも謂われる。
南九州の田の神は、地蔵型と神職型、農民型に分かれ宮崎は霧島信仰から神職型が多く、鹿児島は農民型が多い。
特に飯げと椀を持ち甑簀を被って神舞を踊るユーモラスなタノカンサァは座元が持ち回りで祭る「回り田の神」や化粧を施し宿移りする「オナオリ」豊作の田から拝借して３年後に村役が正装して籾、焼酎、鶏を携えてにぎやかにお返しする「オットイ」の風習が残る。
甑簀を被った田の神さぁの後ろ姿はよく見ると男根そのもの、子宝を望む農家の陰陽神とも謂われる所以である。