ゲスト卓話 池田 直美さん(レストラン「ミシュランラン」経営) 「鹿児島中央駅から見たかごしま」
2008.5.28 於:鹿児島西ロータリークラブ第2224回例会
〈壇上に立った池田さんはまず、「いつも店で働いている時の姿でしゃべります」と、持参のエプロンと三角巾を身に着け、話し始めた。いろいろなお客さんとの感動的な出会いやエピソードをおりまぜながらの、心に残る卓話でした。以下は、その要旨です〉
私の職場は、鹿児島中央駅西口二階にある小さなお店です。この場所は、昨年十二月まで第三セクターが管理運営していましたが、JRが県と市の保有株全てを五億円程で買い取り今はJRが単独で運営する場所となりました。
人通りの少ない通りで、まず、店に来られた人に「いらしゃいませ」と声を掛けると同時に、「なぜ、この店に来られたのかしら」と、不思議に思ってしまいます。壮大な名前の小さな店なんです。
人が好きで、接客という仕事に就けて日々いろんな方とお話しできる環境は私にとって幸せです。その上、鹿児島の顔、陸の玄関口である中央駅では、私の普段の生活ではとても出逢う事のないであろう方々と接する事ができ、その事でいろんな事を知ったり、考えたりするようになれた事に感謝します。
風景が画一化される事で安心感があるのは殆どの場合、運営する側の思惑であり、利用する側にとっては、何か面影のある場所が残っている事で親しみが増すものではないかと強く思います。
見に来た方は一度来たら次の目新しい場所を準備する必要があるが、何か感じるものがあった方は、きっと又訪れて下さるし、連泊されても下さるのではないかと思います。
鹿児島を支えてきた農業が第一次産業であり、生活の中で培われた伝統によって独自の食文化があるという事を忘れずに、住んでいる人間が鹿児島を好きであればきっとその思いは通じるのではないかと思うのです。
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