2月13日第2210例会ゲスト卓話
「犬猫と共生できる社会をめざして」
犬猫と共生できる社会をめざす会 杉木 和子会長
2008.2.13 於:鹿児島西ロータリークラブ第2210例会
人間の長い歴史の中で、常にその傍らにいて様々な恩恵を与えてくれた犬猫との共生をめざして、「犬猫と共生できる社会をめざす会」は平成11年4月に発足いたしました。単に動物好きな者の集まりではなく、小さな命を大切にし、他者への思いやりのある社会が人間にとって優しい社会であるとのコンセプトのもとに活動しています。
最近子供たちの心の荒廃によって信じられないような事件が報道されています。また子供たちだけでなく大人にとっても、また高齢化社会のなかでのお年寄りの生甲斐のためにも、犬猫による癒しの力が認められています。また昨今の都市化により、犬の糞害、野良猫による被害など公衆衛生上の問題も多発し、地域社会の中で隣人同士のトラブルの原因にもなっています。
私たちはただ犬猫を可愛がるのではなく、飼い主に対してきちんとした責任のある飼い方を啓蒙し、また野良猫の不妊手術などを啓蒙・実施し、望まれない命が誕生しないよう努めています。いま生きている個体については、その一代限りの存在は容認し、地域において命の大切さを子供たちに教えることに役立っています。
全国でただ一つ大学の獣医学科(鹿児島大学)と提携し、野良猫の不妊手術を行い、成果をあげています。鹿児島市の動物管理事務所で処分される猫の数は毎年増加の一途をたどっていましたが、会の発足した年を境に減少し、鹿児島市議会でも取り上げられました。
現在の活動の主な柱は下記の2つです。
1、犬猫の里親探し(鹿児島市の中央公園とニシムタ姶良店で開催)=毎月3回〜4回開催し、現在までに犬668匹、猫1,819匹に里親が見つかりました。
2、不妊手術の実施・啓蒙=鹿児島大学において現在までに1,367匹、会独自で1,760匹実施しました。手術代の助成や立替も行っています。
世の中には犬や猫の好きな人ばかりではなく、嫌いな人や苦手な人もいらっしゃいます。私たちの活動は、どんな人にも「命」の問題として理解してもらえる活動でなければならないと思います。活動の根底には会の名前にある「共生」の理念があり、犬猫を好きな人が善であり嫌いな人が悪であるような思想は、活動の妨げになるだけです。
いつか私たちの会が必要でなくなる社会、それは人間にとっても優しい社会であることを信じこれからも活動して参ります。今日は貴重な時間を与えていただいたことに心から感謝し、今後会員の皆様の不幸な犬猫に対して少しでも関心を持っていただけるよう、心からお願い致します。
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