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ゲスト卓話 「焼酎づくりの工程」
鹿児島酒造常務取締役 黒瀬安光さん


2007.11.14 於:鹿児島西ロータリークラブ第2198例会

黒瀬安光さん  西ロータリクラブの第2198回例会は11月14日、鹿児島酒造の常務取締役・黒瀬安光さんをゲストに迎え,「焼酎づくりの工程」と題して卓話をしていただいた。黒瀬さんは昭和27年から55年間焼酎づくり一筋で、工場の責任者であり総杜氏と呼ばれる杜氏中の杜氏。卓話の要旨は以下のとおり。
  −昨今の焼酎ブームで工場を増設して焼酎を増産するところが多いが、焼酎は実は造った後の管理が一番難しい。焼酎は何も言わない。けれど、私には焼酎がいま何をして欲しいか分かる。いい焼酎を造るために、秋に仕込んだ焼酎と対話しながら2月までゆっくり時間をかけて精製している。私には終点もなければ、頂上もない。ただ毎日、ひたすら一歩一歩階段を確かめるように焼酎と話しながら過ごしている。
  −工場では、杜氏や職員の和・チームワークをなにより大切にしている。造る人たちが工場の施設や道具を大切に扱い焼酎造りに集中しているので、うちの焼酎はいくら飲んでも「ジジラを掘る」(くだを巻く)ようなことがない。工場では上司だといって特権意識を持ってはならないし、先輩・後輩の関係はあまり大切ではないと思う。出来る人間はやはりできる。
  また、焼酎を飲むときは会社の話などしないこと。それが焼酎を美味しく飲み、愉快に楽しむ秘訣だ。
  −麹には白麹、黒麹、黄麹、S型麹、黒麹G型ゴールドなど7種の麹菌があり、工場では7つの麹を使って、さまざまな製品、味を追求している。36年前に女性が好きな焼き芋で焼酎を造ろうと思い立ったが、世に出すまで10年もかかった。一番苦労したのは「香り」で、芋を焼きすぎたら焦げたにおいがするし、足りなければ香りがでない。微妙な味を出すには相当な時間がかかるが、NYヤンキーズの松井選手も焼き芋焼酎を飲んでいる。
  −「森以蔵」の値段が高いというが、一番高いのは私が作った焼酎だ。「黒瀬杜氏・黒瀬安光」と私の父・初代黒瀬杜氏の名を冠した「金次郎」もいい。
 

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