長澤葡萄の剪定・挿し木研修会
2007.2.17 於:鹿児島市荒田1丁目
鹿児島西ロータリー・クラブの元会長玉川哲生氏(鹿児島県教育委員長)、水流洋氏(ゆうかり学園理事長)、高山義則氏(高山内科院長)ら錚々たる面々(会員)を迎え、荒田小学校(荒田校区公民館)で「長澤葡萄」の剪定・挿し木の研修会が行われた。
鹿児島中央駅前広場に設置されている「若き薩摩の群像(1865年、薩藩の訪欧留学生)」のひとり、最年少(13才)の長澤鼎はカリフォルニア州サンタローザ市に定住し、ワイン製造とブドウの品種改良に取り組んだ。彼は「カリフォルニアの葡萄王」と呼ばれている。(1934年3月1日没、83歳)
荒田小学校、中州小学校と甲南中学校には長澤鼎のカリフォルニア葡萄園から移植された「長澤葡萄」の木がある。この木は、長澤鼎が葡萄を育てた地・サンタローザ市のサンタローザ鹿児島友好協会が、1982年に友好の記念として鹿児島県に寄贈したものを鹿児島県農業開発総合センターで増殖させ、その一部を1989年に長澤鼎の出身地(加治屋町)に近い三方限出身名士顕彰会(上之園町)に贈らせた。顕彰会では管内にあるこの3校に寄贈したのである。
ただ残念なことに各校とも代が変るとともに、「長澤葡萄」への関心は薄れがちとなった。鹿児島西ロータリー・クラブの玉利賢介会員(甲南中学校出身、甲南中学校PTA会長に任じた)は、「長澤葡萄」への注意を喚起すべく、各校に葡萄棚を作るよう呼びかけるとともに、鹿児島西ロータリー・クラブ(水流洋会長、岩切豊幹事、玉利賢介国際奉仕委員長)に協力を求めて、2003年、「長澤葡萄」の由来を記した銘板を設置させた。
一方、鹿児島サンタローザ友好協会(門田明会長は、鹿児島西ロータリー・クラブの提唱により設立された鹿児島西プロバス・クラブの会長であり、古木圭介副会長はロータリー・クラブの副会長である)は交換学生制度を設けて青少年の育成にも寄与している。
この交換学生制度に支援をはじめた鹿児島西ロータリー・クラブ(外西寿彦会長、岩元基幹事、川平建次郎国際奉仕委員長)は、サンタローザ市のサンライズロータリー・クラブと1989年4月28日に姉妹盟約の締結をした。両ロータリー・クラブは交換学生のほかに、ロータリー財団の同額補助制度やマッチンググラントを活用した国際奉仕活動や相互訪問等を行い、交流を継続している。
また鹿児島西ロータリー・クラブは、国際奉仕活動の一環として、この3校の「長澤葡萄」の木の管理にも協力している。きっかけは、鹿児島西ロータリー・クラブの元国際奉仕委員長玉利賢介氏が甲南中学校の「長澤葡萄」の結実の遅れを憂えたことにはじまる。玉利賢介氏は2006年2月4日、鹿児島西ロータリー・クラブの水流洋元会長から紹介された鹿児島県農業開発総合センター果樹部北薩分場の西元直行分場長(甲南中学校出身)の指導を仰ぎ、鹿児島西ロータリー・クラブの会員、PTA関係者および甲南中学校に協力を呼びかけ、第1回の剪定作業を行ったのである。
今回は第2回目の剪定作業の予定であったが、雨天のため荒田小学校(荒田校区公民館)で研修会だけが行われた。参加した人々は、先日甲南中学校で西元直行氏が剪定された時の、切り枝をそれぞれ持ち帰り、自宅で挿し木に挑戦することにした。
「長澤葡萄」の枝を手に栽培方法などを解説する西元直行さん(左)=17日、鹿児島市荒田1丁目
(南日本新聞社提供)
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