神話を通して日本人と、その心の根源を問う
「蛭子(ひるこ)」
―南徹会員 高城書房から出版
南徹会員
当クラブ会員で、IBS外語学院代表取締役理事長の南徹さんがこのほど、「蛭子」という本を上梓した。
「ゆらぎ」の雲に乗り、時空を超えて旅する蛭子(ひるこ)という旅神を語り部として、我が国の壮大な神話の世界を、わかりやすく紹介する。八百万(やおろず)の神々の物語を通し、日本人の根源、日本人の心とは何か、を激しく問いかける。
南会員は、鹿児島・屋久島の出身。高校卒業後、アメリカ・ハワイの大学に留学し、30年前に帰国、鹿児島市内でIBS外語学院を創立する。単なる語学教育ではなく、言葉をツールとして真にコミュニケーション力を身に付けた国際人の養成、伝統を重んじる日本人教育を目指している。
ロータリー歴12年で現在、国際奉仕副委員長、2730地区GSE小委員会委員などを務める。
作品の終章には数ページを割いて、南さんの祖父母、父母、その子供たちの3代にわたる、戦前、戦中、戦後の歴史を綴った「あとがき」があるが、これは「現代の神話」の本編として、もう少したっぷり読みたい気がした。
高城書房からの出版で、定価1050円。元気の出る本です。ご一読をお勧めしたい。(桐明会員)
作者の言葉
日本を、日本人の心を創造した神々の物語です。
僕らは不幸なのか? 幸せなのか? 何が正義で、悪なのか? 一体全体、人間は何のために存在しているのか? 神と人間と自然の関係は?生きる目的は、生かされる意味は、何なのか?
人類の永遠のテーマです。でも、この永遠のテーマ、どこかで、何かが、メッセージとして発信しているはず。
そんな問いに、大いに答えてくれたのが日本神話でした。あちらこちらに時代が飛び交い、話が繋がらず、物語の一つ一つが独立してしまっている。登場する神々の名前が難しすぎる。あまりにも宗教じみている。
神話は難し過ぎて、馴染み難い、との問いに答える努力をしてみました.全ての話が繋がるように一つの流れを創ってみました。
哲学書でもあり、童話のようでもあるのが神話です。環境問題、異文化理解、民主主義と独裁主義の葛藤、資本主義の矛盾、共産主義の夢物語、様々な人間模様、心の描写が見て取れます。
神話には、全ての答えが、見え隠れているような気がします。そんな思いを抱きながら、一年半掛けて書き上げた本が「蛭子」です。日本人の心を、もう一度呼び戻した。封印された日本人の魂を呼び戻したい。そんな祈りを込めて書き上げた一冊です。
日本人の心に眠る八百万(やおろず)の神々に目覚めていただくことが、美しい日本の再生となればと、祈る心で書き上げました。
日本の未来を読むことがとても困難な時代における、新しい時代を支えてくれる若い人々へのメッセージでもあります。
どうぞ一読を!よろしくお願いして、ペンをおきます。
(南 徹)
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