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『白夜の北欧 −北極圏への旅
    −平成20年7月8日〜7月17日(9日間)』


有馬 戦男会員(太陽熱温水器株式会社 代表取締役)

 この夏、スウェーデンの首都ストックホルムからノルウェー最北端の小さな港町キルケネスに入り、沿岸急行船で北極海を南下、オスロまで9日間の旅を楽しんだ。商用を兼ねての北欧訪問であったが、貴重な体験を通していろいろ考えさせられる旅となった。
 ストックホルムでは、ノーベル賞授賞者の公式晩餐会が行われる市庁舎を見学した。ここで行われる晩餐会には、スウェーデンの各大学から200名の学生が招待され、ノーベル授賞のすばらしさを体験させ、将来への夢を託している。
 また、近くには王宮があり、その門の入口には銃を抱えた20歳位の美人近衛兵が微笑んで立っている。初めて目にする女性の近衛兵である。さすが男女平等の先進国ならでは、と思う。
 私達を案内してくれた40歳位の日本人女性ガイドが、この国の教育について、とりわけ権利と義務について話してくれた。子供達は小さい頃から責任と義務、そして権利について教育の中で教えられ、権利を主張する前に義務を果たし、行動については、自己責任の基に行動をすることが教えられるとのこと。例えば、選挙の投票についても親が用事があって投票を棄権する様なことがあれば、小学生の子供でさえも「お母さんは自分の権利を主張する資格は無くなるよ」。母親は子供から叱られるらしい。選挙の投票率は90%以上だそうだ。
 また、子供達は外国語が必須科目で、小学校で1カ国以上、大学で2〜3カ国以上の外国語の選択が必須義務となっているという。隣国とうまく意思疎通を図る為にも、また、国際化に対応できる社会人となる為にも、小さい頃から義務教育の中で外国語教育にも力を入れているようだ。
 翌日、ストックホルムより空路でノルウェーに入った。北極圏のキルケネスという人口数千人足らずの小さな港町へ渡り、そこから沿岸急行船にて夜も沈まない太陽と共に北極海を南下した。白夜である。しかし、太陽が照っている真夜中というのは、どうも落ち着いて眠れない。昼の12時なのか、夜中の12時なのか、時差の関係で解らなくなる。逆に、11月末より1月中旬迄は、太陽が昇らず、昼間も夜と同じで月の光だけで生活をしているとのこと。やっぱり昼・夜ときちんとあった方が良い、と実感した。

 途中、ヨーロッパ最北端のノールカップに行くためホニングスヴォーグに寄港した。ノールカップでは沈まない太陽が北極海の上に浮かんでいる。写真を撮りながら南下し、途中フィヨルドの小さな港町に立ち寄った。荷の積み下ろしの時間を利用して、数十分間、小さな町を散策してみた。道端にはさまざまな花が咲き乱れている。背丈は小さいが、日本で良く見かける春夏秋冬、四季折々の花だ。不思議なので尋ねてみると、短い数ヶ月の夏の間に四季の花が順番無しで、我先にといっぺんに咲くとのこと。これも厳しい極寒の地に育った自然界の進化かと感心する。
  切り立った絶壁の海岸線を眺めながら更に南下し、北極圏に位置する港町トロムソにて下船する。ここトロムソは、北極探検で有名なアムンゼン生誕の地である。人口約5万8千人を擁する北スカンジナビア最大の都市で、夏の白夜、冬のオーロラを求めて多くの観光客がやって来るので、『北のパリ』と呼ばれている。
  近くのフィヨルドでたくさんの子供達や大人までが楽しく泳いでいる姿を見かけた。尋ねてみると、水温は12度位で、これがこちらでの海水浴の水温だとか。待ちに待った一年で一番楽しい短い夏の最高のバカンスであるらしい。
  トロムソの港町を後にして、今度は空路にてベルゲンへ。ベルゲンは12〜13世紀頃はノルウェーの首都であった美しい港町で、現在はフィヨルド観光の拠点でもある。ここにはかつて、ドイツから来たハンザ商人達が上質の干魚を目的に貿易事務所を開設し、居住を許されたブリッゲン地区は、1979年に世界遺産に登録されている。
  港には、豪華客船やらクルーザー、ヨット等が何列にも係留され、その甲板には人々が上半身裸になり、体を甲羅干ししている。一年の内、有休休暇が5週間あり、その内の3週間をこの短い夏に有効に使っている。
  この国は、諸物価は高い。例えば、ビール500ミリリットルが平均で800円位、軽油は260円/Lする。しかし、福祉制度がしっかりしており、全国民が国民健康保険加入を義務付けられている。保険料は事業主と被雇用者がそれぞれ60%と20%を負担し、残りは国と地方自治体で補填している。また、慢性疾病等についても付き添い費用や長期に及ぶ生活費等も支給される。
  食事に関して言えば、レストランの料理はどこも塩辛くておいしくないが、魚だけは新鮮で美味しい。また大自然の風景は、山、森、林、湖、フィヨルド、海と、とても美しい。是非再訪したい国である。
  四季と昼・夜がはっきりとある日本の自然の素晴らしさと、「24時間をもっと大事にしなければもったいない!」との思いを、改めて再認識されられた旅であった。

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